シーラント(奥歯の溝埋め)で大切な歯を虫歯から守る
お子様の奥歯の溝は、歯ブラシが届きにくく、食べカスや汚れが溜まりやすい場所です。特に生えたての永久歯はエナメル質が未熟なため、虫歯になりやすい傾向があります。
当院では、この奥歯の溝を安全なプラスチック素材で埋めて、虫歯を効果的に予防する「シーラント」処置を推奨しております。痛みもなく短時間で完了するため、お子様にも負担が少ない予防法です。

シーラントとは?なぜ効果があるの?
シーラントとは、奥歯(特に乳歯の奥歯や生えたての永久歯)の噛み合わせ面にある細かく複雑な溝に、歯科用のレジン(プラスチック)を流し込み、固めて埋める虫歯予防処置です。
シーラントが虫歯を防ぐメカニズム
- 汚れの侵入を防ぐ: 複雑な溝を平らにすることで、食べカスや細菌が奥深くに入り込むのをブロックします。
- 歯磨きをしやすくする: 溝が埋まることで、歯ブラシの毛先が届きやすくなり、虫歯の原因となるプラークを簡単に除去できるようになります。
- 安全な素材: シーラント材には、歯を強くするフッ素が配合されているものもあり、継続的に歯質強化を促します。
どのようなお子様・歯に有効ですか?
シーラントが特に有効なのは、以下の時期・状態の歯です。
最適なタイミング
- 乳歯の奥歯: 3歳頃から生え揃う乳臼歯
- 第一大臼歯(6歳臼歯): 6歳頃に生えてくる、最も重要な永久歯
- 第二大臼歯(12歳臼歯): 12歳頃に生えてくる永久歯
特に「6歳臼歯」は、一番奥に生えてくるため、保護者の方も気づきにくく、生え揃うまでに時間がかかるため、非常に虫歯になりやすい歯です。生え始めたらすぐにシーラントを行うことをおすすめします。
シーラントのメリット
- 痛みが全くない: 歯を削る必要がないため、麻酔も痛みもありません。
- 短時間で処置完了: 1本の歯あたり数分で処置が完了します。
- 高い予防効果: 溝からの虫歯発生を大幅に減少させます。
- フッ素の放出: 歯を強くする効果も期待できます。(使用する材料による)
シーラント処置の流れと注意点
処置の流れ (1本の歯あたり約5分)
- 清掃・乾燥: 処置する歯の溝を丁寧に清掃し、水分を完全に除去します。
- 処理: 歯の表面をごく軽く酸処理し、シーラント材がくっつきやすい状態にします。
- 塗布・硬化: 溝にシーラント材を流し込み、光を当てて数秒で固めます。
- 噛み合わせ確認: 処置後、噛み合わせをチェックして調整し完了です。
シーラントの注意点
- 定期的なチェックが必要: シーラントは永久的なものではなく、噛む力で欠けたり剥がれたりすることがあります。定期検診で状態をチェックし、必要に応じて再処置を行います。
- 他の部分の虫歯は防げない: 歯と歯の間や歯茎に近い部分の虫歯は、シーラントでは防げません。日々の正しい歯磨きとフッ素塗布を併用することが大切です。
- 保険適用について: 永久歯の溝が深く、初期虫歯でない場合に保険が適用されます。詳しくは当院にご相談ください。
お子様の歯を守るための歯科予防
シーラントは、フッ素塗布、正しいブラッシング指導と並び、現代の小児歯科において最も重要な予防処置の一つです。当院では、お子様が楽しく通える環境を整え、お口の健康をサポートします。
